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日曜劇場『仰げば尊し』第4話 感想。【お願いだから井川きゅんをいじめないで】



日曜劇場『仰げば尊し』第4話を観た。

先週の第3話では青島、木藤良も心を入れ替え吹奏楽部に入部することとなったところで終わった。そしてこれから本格的に“吹奏楽”をメインとしたストーリー展開へと進んでいくらしい、ということで第4話では樋熊先生の娘、なつき(多部未華子)が教育実習生として吹奏楽部のコーチを務めることとなり、またコンクールを目指して美崎高校吹奏楽部 強化合宿が開催される。その中では副部長井川(健太郎)の葛藤や苦闘、また心を入れ替えた5人と他の部員との関係性の模様などがお送りされる。


第4話感想まとめ
  1. 青島ちゃんと蓮さんの夫婦感MAX
  2. プライドと意地に苦しめられる井川きゅん
  3. 蓮さんが初めて見せた先輩らしい一面
  4. ホルン吹く木部のばぶみがぺろい
と、いったところだろうか。

まず、一つめ。青島ちゃんと蓮さんの夫婦感MAXな件について。

第1〜3話までで見てきた学校生活においても青島ちゃんと蓮さんのニコイチっぷりはもう特に誰も何も言及しないほどの公認のものでありあの二人の“夫婦感”は独特なものである。そんな美しい二人の、二人だけの関係性が顕著に表れていたのが今回の強化合宿だ。
まず、合宿中に行われた息抜き(?)のソフトボール大会のシーンにて。代打として樋熊先生が打席へ立つが、高杢が投げたボールが樋熊先生の下腹部に当たり、軽く乱闘騒ぎとなる。部員全員で騒ぎあっているその場へ蓮さんも足を運ぼうとするのだが、それを見た青島ちゃんは「やらせとけよ」と蓮さんを引き止める。

・・・え?
青島ちゃん・・・なぜ引き止めた???

そう、もちろんそれは自分だけを残して蓮さんがそのわちゃわちゃへと消えて行ってしまうの寂しいからである。(独断)   お前はいつもみたいに俺といっしょに一歩下がって見てればいいんだよ、という青島ちゃんの一種の独占欲である。(偏見) そう、青島ちゃんはちょっぴり亭主関白なのである。
( ※そして余談だが青島ちゃんもなにげにちゃんとソフトボール大会に参加しているし、樋熊先生がデッドボールを食らったとき少し心配そうに驚いた顔をしたり、明らかに樋熊先生のことを好きになっているのがかわいい。何なら部で一番樋熊先生を尊敬している『第一樋熊チルドレン』と言っても過言ではない。)
次に注目のシーンは、合宿中二日目の朝。樋熊先生による寝起きドッキリである。
決して広いとは言えない一部屋に男子高校生5人が布団を犇めき合って寝ている姿はまさに合宿といった感じであり、まずそこに普通に萌える。そして当たり前のように青島ちゃんと蓮さんはお隣同士だ。そこには何の疑問もない。むしろここにきて二人が隣同士で寝ていなければ「なにかあったのか?」と心配してしまうほどには青島・木藤良夫婦に毒されている私である。注目なのはまず眠っている蓮さん。季節は夏、寝苦しいこの季節。蓮さん以外の4人はワイルドに掛け布団を取っ払っているが、蓮さんは綺麗に掛け布団を掛けたままお眠りになられている。そして樋熊先生の寝起きドッキリのどでかいシンバル音が響き渡った時も、蓮さんは声ひとつあげず、スッと起きる。スッと。育ちの良さが拭いきれていない。彼はもしかしたら温室育ちの薔薇なのだろうか。一方その頃青島ちゃんは、その爆音に反応は示すもののほとんど目も開いていない状態。朝は弱いタイプの低血圧人間なのであろう。
※ここからは私のクソ妄想だが、樋熊先生が去った後青島ちゃんはまたきっと秒で眠りに入っただろう。そして蓮さんが優しいあの声で「ひろと、起きて」と青島ちゃんの体を軽く揺らしたりして起こそうと励むのだ。あぁ、蓮さんは、なんという良妻なのだろうか。日本の妻の鏡である。

二人は古き良き日本の夫婦なのだろう。

次に、プライドと意地に苦しめられる井川きゅんについて。

井川きゅんは吹奏楽部の名門・明宝高校の受験に失敗したという過去のトラウマを今でも引きずっており、さらに父親からの威圧も相まって、それは井川きゅんにとって大きなコンプレックスとなってしまっている。そんな彼のコンプレックスと、妙に高いプライドと、自分は他の部員よりも達観しているという無駄な自信、そして自分が入れなかった明宝高校へ勝ちたいという意地。それらは日々井川きゅんを苦しめ続けている。井川きゅんはその無駄に高いプライドのせいで、自分は美崎高校のような低レベルな吹奏楽部で演奏する人間ではない、他の部員たちと一緒にされては困る、という思いを抱えている。そして青島ちゃん達のことは最初からあまりよく思ってはおらず、ますますそんな美崎高校吹奏楽部にいる自分が許せない、という思いもあるのだろう。そんな中合宿では後から入ってきた蓮さんに1stの座を奪われ行き場のない不満が溜まっていく井川きゅん。その後、明宝高校の生徒であり、かつての同級生の思惑にまんまと嵌められ、喫煙(未遂)にまで手を伸ばしてしまうこととなる。その喫煙(未遂)シーンを写真に収める性格の悪い明宝高校野郎たち!頼むからこれ以上井川きゅんをいじめないであげてくれ。頼む。と泣きそうになった。(私が。)「ぼくはすってない!」と泳いだ目で必死になる真面目っ子優等生の井川きゅんに庇護欲が非常に掻き立てられてた。最高だ。そんなこんなでその井川の喫煙(未遂)ショットが問題となるわけだが、もちろん樋熊先生は井川きゅんを責めることはしないし、全面的に自分の生徒を信用しているし、自分の生徒を守るためなら多少の無理もする。そんな樋熊先生の必死な姿に井川きゅんは少しずつ心を溶かしていくのだ。また、井川きゅんの闇を救った救世主はもう一人いる。

そう、蓮さんである。

では続いて。蓮さんが初めて見せた先輩らしい一面について。

先ほどの続きだが、井川きゅんのそのだいぶめんどくさい性格のせいで構築されたガチガチの人間性とバカ高いプライドをスッと溶かしたのは蓮さんだ。思い出して欲しい、あのシーンを。樋熊先生の必死の説得もガン無視で明宝高校の生徒たちを乗せたバスが出発してしまうという瞬間だ。あの五人がなんと走るバスの目の前に立ち塞がり、青島ちゃんが「樋熊の……先生の話がまだおわってねぇだろ!」と叫んだ(よっ!さすが樋熊チルドレン!)シーンである。注目すべきはその後、樋熊先生に「退きなさい」と諭された5人だったが、蓮さんがこう言い返すのだ。

「退いたら井川が悪者になっちゃうよ」

蓮さんは優しくて強い瞳、声色でこう言い放った。(これは癖になる。)どうしてこの人たちは自分のためにここまでしてくれるのだろうか。自分が今まで守ってきたものとは一体なんなのだろうか。自分とはなんとちっぽけな人間だったのだろうか。そう井川きゅんは考え直したのではないか。きっと蓮さんのこの言葉によって彼の今までの色んなモヤモヤは浄化されただろう。
その証拠にこの後の井川きゅんは、
「……せ、…せんぱい……っ……♡」

いや、完全に蓮さんに惚れてるーーー!?蓮さんを見る目が完全に少女漫画のヒロインで驚いた。もうすっかり井川きゅんもこっちの人間である。(違う)
そしてその後の練習の際、やはり1stとしてありたい井川きゅんは皆の前で蓮さんに頭を下げ、3rdとの交代を懇願するのだが、蓮さんの「いいよ。」の言い方が聖母だ。全てを包み込んでくれる、そんな心地よさと優しさでできている。さすが日本の良き妻だ。今まで心のどこかでバカにしていた自分の部活であり、自分の居場所をきちんと好きになることができた。やはりそこでは“自分が1stとして演奏したい”というのが彼なりの意地でありプライドだったのだろう。やはり井川きゅんは意地っ張りでプライドが妙に高い。が、今回を通してそれがいい方向へと向いたので良いのではないだろうか。蓮さんはそういう井川きゅんの葛藤を全て分かった上で優しくしてくれるのだからいい先輩すぎる。蓮さん、めちゃくちゃに先輩だ。井川きゅんが惚れるのも無理はない。

次、ホルン吹く木部のばぶみがぺろい件について。
見出しのクソ感がすごい。これは本当にこれだけの話なのだ。
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一生懸命ホルン吹く木部の横顔がばぶすぎる。めちゃくちゃに可愛い。いとおしい。ぺろい。3話まで木部のこのばぶみに気付けなかった自分が憎い。以上。

と、いうわけで(?)4話も最高なドラマだった。
第5話は引き続き井川きゅん問題と樋熊先生のお身体の調子が気になるところである。