私の少年

この世界は美しい

『明日もきっと、君に恋をする。』感想。【この世界はいつだって美しい】


絶賛真剣佑さん沼にズブズブなので、この勢いでFODオリジナルドラマ『明日もきっと、君に恋をする。』を観た。

あらすじとしては、理想の美青年・翔太(真剣佑)に出会ったことで、「今日」という日を繰り返すこととなったユキ(仁村紗和)の不器用だが全力で一途でちょっぴり切ないタイムループ恋愛ファンタジー、といったところだろうか。

※以下ネタバレ注意

この作品は、設定がいまいちわからない。登場人物たちの、年齢も職業も過去にどんなことがあったとかもわからない、わかるのは名前くらいだ。でもわからなくてもいい。わかりたくない。わからないからこそ、この少し不思議でおとぎ話のような美しい世界に私たちは入り込むことができるのではないだろうか。

全体の世界観は、ユキのタイムループが軸となっているため、非現実的でファンタジックだが、彼らは非常に人間臭くてリアルに生きている様を演じている。そのいい意味でのアンバランスさが面白い。
例えば真剣佑さん演じる翔太はどこか無気力で毎日を諦め、孤独を抱きなから生きている青年。でもユキに対して見せる顔はただの1人の「男の子」だ。ユキと仲良さげな他の男に嫉妬もするし、会いたいときはしつこいくらい追いかけるし、欲に任せてユキを抱いたりもする。真剣佑さん自身もどこか無機質な翔太の雰囲気に似ている部分があるため、その生々しい「男の子」の部分を見せつけられると、ドキッとした。真剣佑さんのような無機質的な美しさが見せる、欲望とか嫉妬とか嫌悪とか後悔とか、人間臭くて歪んだその表情はたまらなく綺麗で興奮した。
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ユキと仲の良さげなカフェの店員・板(柳俊太郎)に嫉妬の表情を見せる翔太。かわいい。
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翔太の家を退出しようとするユキを引き止める翔太のこの筋張った腕。盛り上がった筋肉。たまらん。
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そしてユキを力強く抱きしめキスをする。翔太が初めて見せた、欲望に任せた本能的な部分。あぁ、、、ずるい。こんなの見せておいて、2人には明日が来ないなんてそりゃ泣くわ。切なすぎる。
またユキは朝起きたら「今日」で、自分だけ「今日」ばっかを繰り返していて、自分だけ「今日」から抜け出せなくて、一人ぼっちで寂しくて。
そんな寂しさを誰にもわかってもらえなくて一番わかってほしい翔太にも言えなくて、どうやったらこの孤独が終わるのかもわからなくて。
そんな辛さを抱えながら必死に翔太を振り向かせようと努力する一生懸命なユキちゃんはとてもかわいい。一生懸命なのに伝わらない、あぁ、もどかしい!
最後は結局、また「奇跡」が起こった。きっと翔太にとってはただの「明日」だったのだろうけど、ユキにとってそれはずっと願い続けていた「明日」だ。なにがどうなって、ユキはタイムループしたのかとかどうして突然タイムループが終わったのか、とかどうでもいい。だってこれは一種のおとぎ話だからだ。秘密の王子と姫の美しい世界。この世界はいつだって美しいのだ。

真剣佑さんはこんな美しい世界の登場人物として当てはまりすぎている。でもただのおとぎ話としてだけでなくて現実味も出す表情、声色、目つきの上手さ。やはり彼は天才だ。好きだ(軽率)。


私の好きなシーン。

翔太「どうして俺と一緒にいてくれんの?」
ユキ「前から決めてたから。」
翔太「…なにそれ。」

このシーンになんだか全てが詰まっているような、そんな気がする。


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